書道のオーダーご依頼・依頼してよかった!好きな詩が素敵な作品に
書道作品のオーダーをいただきました。
北海道にお住まいの方でそれまで面識のある方ではありませんでした。ホームページのオーダーご依頼のフォームからのお申込みをいただきそこから詳細なやり取りが始まります
書道のオーダーご依頼
お好きな詩のジャンコクトーの「耳」 堀口大学訳
私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ
この詩を飾りたい。というご要望でした。
オーダー作品は先にお問合せでご質問から入る方が多い中、ダイレクトにご依頼でしたので思わずご依頼の経緯などお聞きしてしまいました
当初は北海道ににいらっしゃる書家に方にお願いするおつもりで、書道展などに足を運ばれたそうですがなかなかこの方に!が見つからずしばらく間をおいたそうです
北海道在住でなくても。と思いなおしネットで検索して私の作品をご覧いただいてご依頼くださったそうです
個展で直に作品をご覧いただいて。というわけでもなく、お会いしたことがあるわけでもないのにオーダー作品を。と思っていただけて感謝と驚きでした
作品サイズはある程度ご希望の大きさはお聞きしてイメージは私にお任せ。という事でした
オーダーの進行
ジャンコクトーの
「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」
この詩を何度も何度も頭の中で詠んで、そのリズムと海の浜辺にある貝殻になぞらえた耳元で寄せては返す波音。もしかしたら私は人ではないものかもしれない。
この解釈は私の勝手な解釈とイメージです。とはいえ、書く時にこのイメージ=頭に浮かべる画像・景色はとても助けになってくれていてそこから文字の構成や紙の縦横のバランス感をつかまえていく作業にしていきます
最初にお聞きしたこのぐらいというサイズと私のイメージでもう少しタテの長さを削ったサイズの2種類の紙サイズで書き進めていきました
作品の選択
書いている枚数はかなり書きました。1サイズに月トータル30枚ぐらいでしょうか。
その中からこれなら。という1点づつ合計2点の写真をお送りしてどちらの作品が良いか選んでいただきました
ここで、あまり沢山の選択肢があると選ぶ方は迷います。
なるべく2~3点程度のご提案にさせていただいています。ご提案の精度を高めるためにご依頼の方からは実際に書くことに取り掛かるまえのヒアリングは細かく。
今回はご希望のサイズの方ではなく、少し高さを削った方で決定
額装の詳細
最初のご依頼で額入り、軸等のご希望はお聞きしていますがより細かなところまでヒアリングします
イメージは今回は「額」「素朴な感」のご希望。
額装の方法もいろいろありますが、「素朴」というキーワードから書道作品の
「浮かし」・・・額縁の奥行が少し多く、作品自体手前に少しでてきます。
「パネル(太鼓張りともいう)」・・・額縁がなく、シンプルでモダンな感じにもなります
この様な方法ではなく、シンプルに額と作品の周りに無地の部分がある、普通に「額に入った作品」とだれもが思い浮かぶ仕上がりが良さそう。と考えました。
書道用の額装業者さんですと、額の縁と作品の間の無地部分に生地を使用したりします。この生地のなどが若干和風でもあり、和室風になるという方向に寄っていく可能性があります
「素朴」というご依頼から裏打ちのみ書道額装の業者さんに依頼して、一旦私に戻してもらい額の制作のみ依頼しているところに裏打ち作品を持参して進行しました
その際にこちらで考えの必要事項は
①額の仕上がりサイズとマットの窓枠のサイズをデザイン
②額の素材の選別・・こげ茶ご希望からウォールナットを選別です
③マットの色を選別
仕上がり
細かなデザイン、サイズを決めてオーダーした後は仕上がり待ちです。
サイズ自体がオーダーなので、今日明日であがるもののではありません。ここもご依頼主に不安を与えないように経過報告も忘れずにいたします
受取発送
仕上がりを受け取り発送をさせていただきました
ご感想
届いて実物をご覧いただくまでドキドキでした。前述のように作品を2点のうち1点に絞っていただく時にお写真お送りしています
その時に「わー!嬉しいです 素敵です」とおっしゃっていただいていましたが
途中経過報告でも「作品実際どんな感じなのかわくわく楽しみです」
ととても期待していただいたので、額に入った最終の仕上がりご覧いただいてどうかな。と思っておりましたが
「好きな詩が素敵な作品になりとても嬉しいです!依頼してよかったです」と感想をいただきました
また「丁寧なお仕事ですね」と仰っていただけたのも大変ありがたいことでした。
作品を書くというところから、額装の打ち合わせ、引取りと手間と時間をかけたことが報われた!と感動の言葉でした
このたびは誠にありがとうございました