筆による線質の変化
筆の毛質によって線が変わる
筆には使っている毛が様々あります
1種類だけで出来ている物ももあれば、混ざっているものまで。その割合の違いも入れたら無限大といっていいほどの種類が存在します。
書道の作品を書く時はこの筆選びでも仕上がりの雰囲気がずい分と変化します
同じ文字でも書きたいイメージで筆を変えていく。思ってもみない仕上がりになったりもして表現に幅がでてきます
大き目な筆でなければそんなに高価な筆ではないものも沢山あります。
冒険心とチャレンジ精神で購入して書いてみる。という方法がおススメです
実際に「雨」という題材をいろいろな筆で書いてみた作品をご紹介します
同じハガキに作品を書いていますので見比べてみてください
羊毛の中筆
羊毛といってもウールではなくヒツジです
ハガキサイズにちょうど良いサイズの筆で墨などの含みもたっぷりとしているので柔らかい線質で太い細いの強弱も良く出ています
羊毛の大き目の筆
先の羊毛より長さも太さもある筆です。ハガキには本当は大きすぎると言える筆サイズので半切1/3ぐらいの紙に詩文書などを書く用に買い求めた筆です
紙(ハガキ)に対して大きいということもあり、柔らかい線ですがたっぷりと大らかな作品が書けます
兎の口髭
文字通り兎の口髭でつくられた筆です。髭なので硬い毛質になります。その分細く硬い線質となりますが、文字を書いた時に面白い表情をみせてくれます。
かなり細い線まで出せる筆になっています
藁の筆
こちらも変わり種といえる藁を束ねた筆。藁は硬く羊毛や兎の口髭にくらべても1本が太いので割れたようなザラっとした線が書けます
この筆は偶然性が出ることが多いので、書いてみないと仕上がりをコントロールするのはちょっと難しいですが、その分思いがけない表情となります
同じ藁の筆で書いたものですが雰囲気が変わります
ここでご紹介した以外にもイタチ、リスといった筆、ダチョウ、馬といった種類の筆もあります
この筆はこれ。といって決めないようにして遊び心をもって書いてみると意外な発見ができます。
こんな表情があったんだ。とわかれば次にまた冒険心をもって筆を使って線を書いてみる。といった循環が生まれてくると思います
書道の筆の毛質は動物や植物など天然のものが使われているのでこのような線の遊びが出来る面白さが書道の醍醐味だと思っています。
これは筆ペンなどではなかなか出せない味のある線質だと思います
筆ペンには筆ペンの便利さと良さと手ごろさが沢山あります。
特徴を知って線を書き分けていっていただきたいな。と願っています